付き合ってないふたり(ニスフル短編2本)

mgdニスフル

ひとりでできないもん

※ちょっとえっち、おねショタ気味ニスフル

 

 

朝、目が覚めるとフルフルのふとももに勃起したニスロクのペニスが当たっていた。えーと…? どうしてこうなったんだっけ――最近最寄り駅からアパートに帰る途中怪しい男に後をつけられることがあるので、牽制のために仕事のない日のニスロクに寝泊りしてもらうように頼んだのだった。夜更け、眠りたくないと言いながらしばらくの不眠が祟っているらしい顔付きのニスロクを「まぁまぁ」と言いながらベッドに引っ張り込んで一晩明けたのが、今。ニスロクのことなので、眠っている自分を見て興奮したとか、そういうわけじゃないだろう。フルフルは過去に一度聞いたことのある、現象の名前を思い出す。
「んーと…朝だち、ってやつかなぁ」
「…………」
性的な興奮とは関係なく、健康な生殖能力を持つ男性の陰茎が眠りの浅くなった朝の時間に自然に勃起する現象。ニスロクとて純正メギドといえどヴィータの肉体の機序からは逃れられないということだ。目を覚ましたニスロクはおそらく『朝勃ち』という言葉を知らないが、下半身について何かを指摘された、ということは理解したらしく、無言のままフルフルから体を離す。何を言われているかよくわからんがとりあえず対処した、というだけで、恥じらいとか、後ろめたさがあるわけではない。ニスロクは自分の性の象徴に無関心だ。世間の男性がうらやむような巨艦を持っているが、用を足す以外の用途があることを意識したことがないだろう。
「キミ…ちゃんとしてるの? そういうの」
「何がだ…」
料理なら毎日しているが?と返されそうなので、フルフルは不毛な問答をやめニスロクの下半身に手を伸ばした。細い指が下着に入り込みペニスを包むと、さすがのニスロクも少し驚いたようだ。
「…貴様何を」
「ストーカー対策でわざわざ来てくれたし、手伝ってあげようかなって」
「何をだ、いらん、よせ、ぁっ」
「んん~? 料理は手伝えって怒るのにこっちはいいのかい?」
長さのある直筒型の立派なペニスが、フルフルの手の中で脈打っている。ゆっくり上下に扱くと、朝勃ちでゆるく立ち上がっていたそれが石のように芯を硬くし張りつめてくる。
「わ、すご…」
「ッッ」
雄々しい剛直にくらべれば幼く小さく見える手が竿の上をゆっくり動く。焦らしながらも、確実にニスロクを追い詰めた。
「ふーん…ここが気持ちいいんだね…」
「っは…!」
カリ首を集中的に責められ、ニスロクの吐息が裏返る。先端の割れ目が先走りで濡れそぼってくる。
「止めないんだねぇ」
嫌がってたのに~、とのんびりとした揶揄を含むフルフルの声の響きに、ニスロクは応えられなかった。止めるべき行為なのか、フルフルが何を意図しているのか、わからない。他人に触り慣れていない、どころか関心がないため自分でもほとんど触ったことがないペニスを、こんな風に執拗に、何度も愛撫されるのはなぜか。わからないまま、フルフルのやわらかな手のひらの感触に狂わされる。
「はぁ、っく…」
先端からにじみ出て零れた先走りがフルフルの手の滑りをよくし、ぬるぬると摺り上げられてニスロクに与えられる快感が増幅する。何かを出したい、楽になりたい。今までどんなに肉体を放ったらかしておいても芽生えなかった欲求が、ニスロクの中で膨れ上がってくる。
「きもちいい? …もっと強い方がいいのかなぁ?」
「ぁっ゛」
きゅ、と手でカリ首を締めあげられ、ニスロクは小さく呻いた。少し強まった力で、先端を集中的に攻められる。ここがほかと違う敏感な箇所なのだと強制的に認識させられ、腰が引けそうになる。だがフルフルの手に誘われ指の輪に自身を突き入れ動かすと、なにも考えられなくなる。
「っ…ぁ……ぁ」
「あ、待って」
フルフルの手がぱっと解け、ガチガチに膨れ上がったニスロクのペニスから離れてしまう。目を閉じて感覚に集中していたニスロクは目を開き、無意識に追いすがるようにフルフルの白い手の行方をおった。平いた彼女の手のひらは、ニスロクの亀頭の先端に触れる。パーの形のままで、先端をくりくりと擦られる。
「ッ……!!」
「さきっぽが気持ちいいんならこれも気持ちいいんじゃないかな~?」
メギドラルで試行錯誤をして料理を編み出していた時のように言う。ニスロクは堪えられない刺激に歯をかち合わせるので精一杯だ。性器の先端がこんなに敏感だったのをはじめて教え込まれる。表現できない刺激が強すぎてたまらず、腰が逃げたくなる。もっと触ってほしいが、まともに許容できる範囲を超えている。くすぐったいような、気持ちがいいような、辛苦のような。混ざり合った刺激に、打ちのめされた。
「ん…いーみたいだね…」
フルフルのもう片方の手が伸びてきて幹を包み、先ほどと同じように扱き始める。一方の手のひらは、先走りが溢れてぬめる先端をくりくりと撫でまわす。種類と強度の違う快感を、同時に与えられる。ニスロクは息を詰め、たまらず鼻先をシーツに擦り付ける。フルフルはニスロクの痴態を眺め、ペースを変えないまま追い上げた。
「っく…!」
大量にあふれ出た白濁がフルフルの手を伝って零れ落ちた。粘度が濃い。
「うわ……いっぱい出たねぇ…」
「………ッ…」
下半身の苦しさが楽になったのに、してはいけないことをしたような苦い気持ちが沸いていた。一方で頭の芯が静かに冷えていく。なのに、頬が熱い。
「キミ、たまにはこうやって自分でした方がいーよ…あんまり溜め込むと体おかしくなっちゃうよ」
純正メギドだからどうなるのか知らないけど、と適当に付け足し、フルフルは眠たげな眼を瞬かせた。ニスロクの自慰を手伝うという一仕事を終え、あともうひと眠りできそうだった。見るとニスロクのペニスが再びゆるく立ち上がっている。一度の放出では満足できないほど溜め込んでいたらしい。とろとろと重くなる瞼でフルフルが告げる。
「…さっきやってあげたみたいに自分でしてごらん…ふぁ…」
「なんだと…」
ニスロクは黙り込んだのち、自分のペニスに触れ、フルフルがしていたように上下に扱いてみるが、やがて離れてしまう。
「ん…? どうしたの…」
「…。……私は料理以外のことに集中できんのだ…」
一人では射精に至るまで集中を持続させることができない。
ひとりで、できない。暗にそう言ってくるニスロクに、フルフルは大変だねぇと答え襲ってきた睡魔に委ね無情にも目を閉じた。