※南国ポリセクマイ相本「とろける檻」おまけ、本編から一年後の話。こちら通常喘ぎ版。♡喘ぎ版は2P目にお進みください
「ひれ酒まだ残ってたのにィ」
不満そうなひざしの声を背に、消太は旅館の長い廊下を歩く。日中は左手に手の行き届いたイロハモミジがまばゆい緑を揺らしていたが、今は夜の闇の中に輪郭を朧ろにして沈んでいた。点々と続く客室の入り口を通り過ぎ、一番奥の部屋へ。古い秘境の宿に満ちるひやりとした静けさは、部屋の戸一枚またぐと少しだけ温かなものに変わった。
「お、布団敷いてくれてる…」
薄暗い部屋をともす橙色の小灯。窓際のテーブルを除き、荷物が丁寧に隅に片付けられた十畳の真広い部屋の中央では、暖色の灯を吸い込んだ二揃えの布団がその端をひたりと密に接していた。
「なんかサ、ドキッとしない?部屋戻ってきたらこんなしっとりしたムードで布団敷かれてると。宿の人に”さあどうぞシッポリやって下さい”って言われてるみてえ」
「定型通りのサービスだろ」
消太はそう言いながらひざしの横をすり抜け、しかし足取りはあつらえられた寝具に向かう。ひざしもその背を追った。
「消太~テンション低ぅい」
「お前が高いんだ。浮かれ過ぎてる」
出発前からひざしは上機嫌だったが、この秘境の宿に到着した時にそれは絶頂に達した。つまり、部屋に案内してくれた女将の前でぺらぺらと余計なことを喋り、普段二人きりでいる時と同じ距離感で消太に接していた。結果がこの心遣いの行き届いた部屋の状態なのだ。消太もそれを察していたが、呑気に認めるべき事実でもない。
「そりゃあ浮かれるじゃん…消太がこんな雰囲気のい~いえっちな宿に連れてきてくれるなんてさ」
手前の布団にあぐらをかいて座った消太の後ろにひざしが座り、腕を回して抱きしめる。
「どこが…。厳粛な奥ゆかしい宿だろうが」
「町から30キロ離れて霧深い森と渓谷に囲まれてあるのは温泉だけ。…一泊二日籠もってセックスするしかない宿じゃん」
ひざしの手が布団の上で無造作に投げ出されていた消太の手を取り、節の張った指の輪郭をなで回して弄ぶ。頭の片隅で無意識にちらついていた想像に気付かされ、消太の首筋から体温が急に上がる。撫で遊ばれる指先までが汗で湿ってくる。
「…。去年の夏に南の島に連れてってもらったお返しだ」
去年の夏の、10日間の南の島への逃避行。意図したわけではないが、思えばあれも外の世界から隔離されたような世界での、ただ互いの肌に溺れむさぼり耽る無限の時間…耽溺と呼ぶべきまじわりだった。
「それに去年はろくに祝ってやれなかったからな」
南国旅行の少し前に訪れたひざしの誕生日では、誰かが祝う声を聞き、ああお前誕生日だったな、おめでとう、と声をかけるだけで終わってしまったから。そのことは後々、小さな針を飲み込んだように消太の心に引っかかっていた。
「…叫んでいい?」
「絶対によせ」
歳月が静かな澱となって染み込んだ奥ゆかしい秘境の宿が、一瞬で奥ゆかしいがれきになる。流石に大人しく制止に従ったひざしは、歓声の代わりに消太を抱きしめる腕の力を強くし、浴衣の襟から除く肩口の曲線に鼻を擦りつけた。
「今日は最初から最後まで全部俺にやらせて」
確かに、最近消太が後ろの洗浄はもちろん即挿入可の状態にまで慣らしてから行為に臨むことに、ひざしは不満げだった。跨がって文句は封殺してきたものの、消太もひざしの言わんとすることを頭では理解していた。しかし、だからといって部屋のトイレに押し込まれ、逃げ道は塞いだりとばかりに後ろ手にドアを閉められるのは承服できない。
「出てけ」
「出ないって。出すのは消太」
ふざけた返しに消太の額に青筋が浮くが、すでに浴衣をめくられ便座に座らされてしまっているのが現状だった。閉所での10分間のもみ合いで浴衣の帯がほどけ目に五月蠅い柄のボクサーパンツを露出した男は消太の鋭い眼光を意に介さず。便器の上で開かれた太ももに片手を置くと体重をかけ、もう片手で横の操作盤の『おしり』ボタンを押した。
「バカ…!」
噴射した水が尻の間に当たるが、鍛え抜かれた反射神経で腰をひねりアナルへの直撃を避ける。
「大人しくしろって!浴衣がウォッシュレットで濡れちまう!それはイヤーー!」
「っじゃあお前もボタンを弄くるのやめろ」
「俺のおたんじょーび…」
「う」
寂しげな目でじっと見つめられ、消太の動きが止まる。その瞬間、アナルを狙ってふたたび水が噴射された。
「っア…!」
もがく消太のももをひざしが両手で押さえつけ、体重をかける。侵入を拒む屈強な括約筋のガードに水が便器の端に跳ね、流れていく。ひざしはフゥーと長い溜息をつくと、消太の耳元に口元を寄せ、ケツゆるめて…、と囁き、無防備な穴に舌先をねじ込んだ。耳殻をなぞり、唾液を塗り広げられる感覚。ふ、と吹き込まれた息に消太は奥歯を噛みしめたが、やがて観念して顔を落とし、腹のなかに水流が侵入する感覚に耐えた。じっとりと体中に汗が浸ってくる、閉鎖空間での重たい沈黙。水は止まってもひざしはももを上から手で抑えたまま、微動だにしなかった。
「…はよ出てけ」
「今日だけ」
ひざしは首を振ってそう返すと、消太の唇を塞ぎ、動く気がないことを示すようにねっとりと舌を絡めた。消太は顔を反らそうとしたが、追いかけられより強く呼吸を奪われる。腹は低く唸り始め、一刻も早い放出を訴えていた。冷や汗をにじませ堪えていた消太だが、ももの上にあったひざしの片手が離れ、ふいに腹を圧迫した。
「っぐ!ぁ…っ……や、……」
腹のなかの水が溢れだす。一度決壊した栓はもどらず、消太の腹の内容物が白い便器に向かって流れ落ちた。しかしほぼ水に近い流動体だけだった。我慢を続けていた疲労と心労がいっぺんに押し寄せた消太はぐったりと便座の背に凭れ、片手でレバーを探し水を流した。固形物もなくあっさりと流れ去っていく水を見送り、ひざしがつまらなそうに呟く。
「ぜんぜん出ねーのな?」
「露天風呂入る前に洗浄してる…し、飯はさっき食ったばかりだからまだ消化されてない」
「なァんだ…」
学校の床で寝る男にも人並みの羞恥心はある。唇を尖らせるひざしの顔面を平手でひっぱたいて追い出すと、消太はようやく鍵をかけ静かになった個室でもう一度洗浄を繰り返し、トイレ横の浴室でシャワーを浴びた。
浴室を出た消太は疲れた表情を隠さず小灯の照らす寝具へと戻る。これからさらに指で延々と後ろを弄られると思うと疲労感が押し寄せてきたが、浴衣の乱れを直し布団の上で待ち構えていた男を前に腹をくくる。並びのいい歯を見せた血色のいい笑顔に文句を言う気力は失せ、浴衣の合わせ目から滑り込んでももを這い上がったなめらかな手に促され、躯を布団の上に横たえる。あまりにも容易くほだされてしまう自分を、自覚はしていた。
「普段短気なくせにこういう時だけネチッこい…」
「ん~?好きなことは好きなだけ、ってね。…消太も猫カフェ行ったら無限に猫かまってるじゃん」
「無限にじゃないだろ、お前がいつもそろそろ帰ろうって言うから」
「いや?」
「そうじゃない…」
消太の顎に手を添えひげを親指でなで回していたひざしは笑みを浮かべると、青白い首筋に吸い付く。いつもは痕を残さないことが約束になっているが、消太は微かにみじろぎするだけで今日は黙って受け入れた。
「なんか緊張する…いつもと場所が違うからかね」
ひとつ、ふたつと肌の上に吸い痕を残されながら、密事を話すように潜めた声でささやかれる。ドクリと鳴る心臓。自分が感じる緊張はひざしが感じるそれより大きい、と消太は思っていた。いつもと違う湯と石鹸の混ざった匂い、少し青臭い若い畳の匂い、布団や枕の放つ古めかしく奥ゆかしい洗剤の芳香。静寂の中で神経が張り詰め、五感が奇妙に研ぎ澄まされていた。
消太に向き合って寝そべったひざしは、帯には手をかけず、その下の合わせ目から手を忍ばせ、ボクサーパンツの膨らみの輪郭を指でなぞる。指先は遊ぶようになめらかな黒地の上を滑り、双丘の割れ目をたどる。消太がたまらず下半身をもじつかせると、指の腹は熟れた窄まりの微かな盛り上がりに触れる。その瞬間、消太の全身にカッと血がほとばしった。
「…っ…早よしろ…」
微笑みと共に腰骨に指が滑り、厚みはあるが鍛えられ引き締まった尻からするりと下着が引き下ろされる。ひざしが枕元に置いていたプラスチックボトルの蓋を開くと、いつもと変わらない透明なジェルの甘ったるい匂いが鼻をかすめ、消太はなぜか少し安堵した。
横向きに寝そべっている体の上側、右足をひざしの下半身に乗せると、開いた脚の間に指が滑り込む。向き合った消太の表情を見入っているひざしは、いつものうるさい口を開かず、無言のままで指先に触れる秘部をローションで濡らしていく。爪が短く綺麗に削られ丸みを帯びた指先が窮屈な口を伺うようにつつき、徐々に入り込む。第一関節が収まっただけで周囲の筋肉はぬっちりと絡みつき、高まった熱を伝えた。ほんの2センチの指先で神経の集まる窄まりの口をクチクチと弄り回され、じれったさとむず痒い快感に消太は下半身を小さくくねらせる。
「…あそぶな…」
抗議を込めてひざしの浴衣を引っ張ると、長い指がぬるりと奥まで入り込んでくる。その感触に背筋が震え、消太の唇が微かな喘ぎを漏らした。指は数度上下に往復を繰り返してから、中で折り曲げられ、過敏なしこりをゆっくりと掻き始める。爪は短く整えられ掻く力はひどく緩やかなのに、前立腺を直撃する刺激に消太は喉を反らせる。湿った空気を閉じ込めた浴衣の下で、肉茎が膨らみ角度を上げたのが自ら分かった。
「っ、……ぅ…、っく…」
二本に増えた指が腹の中で交互に過敏な内壁を掻き、下腹部で甘い痺れが二重三重に溜まっていく。消太はたまらず俯いた。薄暗闇の中で飽きずに自分を眺めている碧の目から逃れるために。たった指二本の緩慢な動きに翻弄され、唇をひくつかせ、日頃乾いた眼球を潤ませて快感を追う浅ましい中年男の顔を隠すために。長く骨張った二本の指は、羞恥に満ちたぎこちない抵抗を嘲笑うように充血したしこりをはさみ、指の間をきつく狭めて擦り上げた。
「ッンー…!」
消太の背筋が布団の上でぴんと伸び上がる。まるで人形師に糸で引かれて奇怪に動く人形だ。摘み取るように指の間で摩擦を繰り返されれば途端に開いた太ももが小さく揺れ始め、甘怠い痺れが下腹部に広がり、焦りや羞恥で騒がしかった脳の思考を断絶する。重たい絶頂の余韻に脳しんとうを起こしたように揺れる頭をひざしの首元に擦りつけ、浴衣の肩を掴んで制止を求める。
「っ…も、ひざし…」
ん?と甘ったるい声色が答えるのは消太の望みが何か分かっている証拠だった。勃起した消太の陰茎には、同じ形の熱が先程から浴衣ごしに押し当てられていた。
消太の目の前で0.02㎜と白く印字されたクリアピンクのパウチがちらつく。
「ゴムありとなしどっちがいい?」
「…な あり」
「な?」
浴衣をめくり、消太の両脚を露出させながらひざしが尋ねる。肉付きのいいふくらはぎの青白さを撫で上げ、脚の間に身を滑り込ませながら。
「…“なんだ?”って聞き返そうとしただけだ。都合良く解釈すんな」
「フーン」
布団の上で消太の両肩がひくっと揺れた。じんわりと熱を持った亀頭が、消太の秘部に触れていた。染み込んだローションで放射じわを光らせ、指でしつこくほぐされて口を緩めたそこに。上反りの、長く形のいいペニスの先は、筋肉に包まれた窄まりを通り抜け浅みへ入り込む。奥へは進まず、亀頭はあっさりと引かれ、また括約筋を抜けて浅くに射し込まれる。ヌプ…と微かな音を立てて。消太の秘部はその先を期待して勝手にヒクついてしまう。からかうように、震えてローションを垂らす赤らんだ入り口の盛り上がりを、すべすべとしたペニスの丸みが押し潰し、蹂躙する。人工皮膜をまとわない張りつめた皮膚の感触、その湿り気と熱。消太はたまらず食いしばっていた口を開き、苛立たしげに呟いた。
「…なし」
「オーケイ♡」
消太の顔の上で形のいい唇が半月を描く。
「っァ…」
張り出したカリ首が括約筋を通り抜けて竿がズルリと進むと、消太が白いシーツの上で首を振るった。黒髪が跳ね、汗の浮いた首筋に絡み付く。
「…まだ全部入ってない、ぜ」
「ぁ、はあ、わか、ってる、……はよ、しろよ…はやく、」
懇願は聞き入れられず、気が狂いそうになるほどゆっくりと深まる結合。普段は一思いに終わる挿入が終わらず、その間ぞわりぞわりと侵されていく快感が消太の下腹部から耳の裏側までせりあがる。
「すげ、漏れてる…」
亀頭をひざしの指先で撫でられ、尿道口からぷくりと滴が膨らみ、精液と先走りの混ざったものが幹まで伝い落ちていることに気づく。家から持ち込んだ目玉の大きな猫の描かれたバスタオル一枚を腰の下に敷いているが、心もとない。
「こんなに漏らしたら布団汚れちゃう、消太」
「ッ…ゴム…するから、よこせ…」
「弄りたいからもうチョイ、」
亀頭や竿をゴム越しに愛撫するのは味気ないという男は消太のシーツを握りしめていた手を外させ、濡れた陰茎に導く。
「漏らさないよう自分で抑えて」
意地の悪さに消太の喉がクッと鳴る。だいたいお前が散々焦らしたからだろう、と言いたかったが、口を開きかけた瞬間にひざしの長い竿が根本まで埋まった。結腸の入り口に先端が食い込むいつもの感覚に、消太がたまらず低く掠れた喘ぎを漏らす。腹の奥からじんじん痺れが広がってくる感覚。内壁に伝わるひざしの温度。耳元に熱いため息が落ちる。
「奥まで挿れたときの消太の顔スゲー好きなんだよね…たまらねえ顔してる…」
ひざしの指先が黒い前髪を払い、熱の浮いた目が消太を見下ろす。眉間のしわを深め、薄く開いた唇から低い喘ぎまじりの吐息を漏らして感じ入る表情。ひざしはしばらく消太の顔をながめていたが、やがてうっすら汗の浮いた額をひと撫でしてから腰を揺らし始めた。
「っぁ…ぁ、ン…っ、く…」
「しょーた声、」
…壁が薄いから、といいながら、自分は腰を止めずに下腹部で鈍い音を響かせる。口を抑えようと動いた消太の片手はシーツの上に縫い付けた。
「あっ、ぁっあ゛、ァ…」
「Shhh…」
抗議の火をともしながら薄目の奥で揺れる小さな黒い瞳に煽られる。ひざしは静かにするよう囁きながら、自分の形を刻もうと重く深くを穿つみずからを笑った。静寂の落ちた夜の宿、隣に聞こえるだろうか?聞こえてしまえ、と密かに思いながら。
「ふっ、くっ……くっ、ぅ゛……、」
「ぁ、……はァ……」
「おまえ、も、うるせ、よ」
「だって気持ちいもん」
悪びれず答えれば、充血した目は恨みに揺れたが、焦点はすぐに快感を追ってぼやけ、普段は厳格さを宿す眉は頼りなく寄せられていた。耐えきれず消太が漏らす苦しそうな、だが悦んでいるのだと確かに分かる湿った声に鼓膜が溺れる。浴衣がはだけ、ふくよかな筋肉の厚みがある胸と、触られてもいないのにぷつりと立ち上がった赤褐色の突起の片方が覗いていた。
「ひ、ざし…漏れて、るっ」
律動を中断し下を向けば、消太の手が尿道口から漏れた先走りでしとどに濡れていた。根本をおさえる指の輪を通り越して透明なしずくがつたい落ち、左右から会陰へ向かってじわりじわりと集まっている。この量ではいずれば宿のシーツを濡らしてしまうだろう。抑えるはずの指の枷がどこまで機能しているのか、ひざしは笑った。
「漏れてる、って…漏らしてるんでしょ」
「…ちが……はよ、ゴム…」
ぐ、と押し込まれた剛直にため息を漏らしながら消太が苛々とねだる。開いた両脚がひざしの腰下で交差し、絡み付く。
「も、出したい……」
羞恥に顔を背け、散った長い前髪の間から欲に浸った横目が訴える。ドクリと心臓が震えた。
「…。後ろでイけたら、ね…」
はあと観念したように熱いため息を漏らし消太が頷いたのを合図に、前立腺を小刻みに穿つ。怠そうに閉じたまぶたが小さな痙攣を起こし、血色を増した唇は絶頂の予感に徐々に開き、奥で舌がひくりと浮き上がった。
「っ………あ………….ぁ………………」
青白い胸が浮き、尖った喉が震える。ひざしの下半身に絡んだ両脚に籠る力が強まり、腰をぎゅうと締め付ける。30秒、40秒、50秒…止まぬ痙攣と体の強ばり。消太の絶頂は一分半も続いた。その間に小さく穿つと、甘く裏返った声がだだ漏れに溢れてくる。気だるげな薄目のふちからは涙が溢れ、シーツに吸い込まれていく。相澤消太が無になる瞬間。
口付けて無抵抗の舌をヂュと音を立てて吸い上げてから、ひざしは体を起こして勃起したまま先走りを垂らしている消太の肉茎にコンドームを被せた。後ろで深い絶頂に達しても雄の欲求を満たせずいる亀頭は、窮屈な人工皮膜のなかで膨れ、赤紫に充血していた。
「いーよ、いっぱい出して」
上体を起こし、見下ろす形で腰をうちつけ始める。まだ絶頂の余韻から抜け出しきれていなかった消太は首を振り、むずがるように腰をくねらせたが、疲労に包まれていた体は、徐々に射精欲求を思い出し、限界まで張り詰めた自身の放出に意識を囚われていく。しかしふいにまとわりつく熱っぽい視線に気づいたのか、射精に集中するためか、消太は拳を握った手で顔を隠した。
「ヘイ…キュートでセクシーなヒゲ面隠すなっての…」
「…っ……」
「俺のバースデーにこんな素敵なとこ連れてきて祝ってくれた消太が今どんな顔で俺に抱かれてんのか、よく見せて」
んで、脳ミソに焼きゴテ押すみてえに刻み込ませて…。耳に唇を突っ込み囁けば、消太の腰は分かりやすく波打った。頑なだった腕が動き、あの南の島で見たような、上気した顔が露になる。
ーそんでお前も、お前を抱く俺の顔を覚えてて、と最後にひざしが七夕と誕生日をひっくるめた願いを続ければ、消太の白い喉がヒクと震え、言葉の代わりに背に腕が回った。
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